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クスノキ、樟 2022-08-03 16:21:51

クスノキ、樟

クスノキ科 Cinnamomum camphora

本州中、南部、四国、九州、さらに台湾、中国に分布します。木材および葉から樟脳油を採取するために造林されています。木材の利用はむしろ主目的ではないでしょう。かって樟脳は衣服の防虫剤として広く用いられ、箪笥を開けると樟脳の香りがしました。しかし、近年の防虫剤は合成化学製品です。

木材

この木材のもっとも特徴的な性質は、強い樟脳の香りがあることです。この香りに防虫効果があるため、箪笥などの家具類に利用されて来ています。心材の色はどちらかといえば、不安定で、黄褐色、紅褐色、部分的に緑色を帯びた褐色などです。辺材は淡色ですが、心材との境ははっきりしません。年輪はかなりわかります。肌目は粗く、木理は交錯していることが多いです。また、幹の形が悪かったり、凸凹があるため、板にすると種々の美しい“もく”が出て来ます。気乾比重は0.41~0.52(平均値)~0.69で、やや軽軟ないし中庸で、加工の仕上がりは中庸です。耐久性は高い。

用途

器具、家具、建築(社寺など)、楽器、箱、彫刻、ひきもの、木魚などがあります。美術の展覧会などへ行かれたとき、木材の彫刻の作品のおいてある部屋で、強い芳香に気が付かれることがあるでしょう。これはクスノキで作った作品が中にあるからです。最近でもときどき洋服箪笥などで、その扉を開けると樟脳の芳香のするもので出会うことがあります。これは内貼りにクスノキの板あるいは合板を貼っているものです。これによって、防虫効果を期待しているのでしょう。

木材特性表
クスノキ の特性表
気乾比重 平均収縮率(%) 強さ(MPa) 曲げヤング係数
(GPa)
柾目方向 板目方向 曲げ 圧縮 せん断
0.52 0.10~0.13 0.21~0.26 58.9~82.4 30.5~43.1 9.4~11.8 7.5~10.3
出典:「世界の有用木材300種」農林省林業試験場木材編
公益社団法人 日本木材加工技術協会 1975

※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。

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